ホノマラ小咄
ホノマラに代々伝わる小咄です。真偽は定かではありません。
第1話:ある冬の日(★★★☆☆)
ある寒い冬の日の出来事だった。いつものように練習を終えたホノマラのメンバーたちは、いつものように代々木公園内で感じ悪くたむろっていた。すべてがいつもどおりだった。そんな時、ある1人の男が、またいつものように自動販売機でジュースを買っていた。この日は気温がかなり低く、まさに骨の芯から冷えるような感があった。それなのにこの男は、なんとアクエリアスを買っていた。いくら練習後とはいえ、この気温。こんなときに冷たいものを飲んだら、ますますからだが冷えてしまう。こんな日は温かいお茶でも飲みたいと思うのが常であろう。しかし、アクエリアスなのだ。そんな男を見かねて、また別の男は尋ねた。
「おい、なんでアクエリアスなんだよ?」
男は答えた。
「あっ、君はポカリ(スエット)派かい?」
そんな問題ではないと思うが……
第2話:ロス帰りの女(★★★★★)
女はロスから帰国し、久しぶりに日本のコンビニへと足を運んだ。コンビニに入ると、なにか懐かしさと安堵感を感じる。ここは日本なんだなと感傷に浸った。しかし、女にあまりゆっくりする時間はなく、足早にコピー機の前へと移動した。そこで彼女は、原稿をセットし、コインを投入した。しかしおかしいことに、いつまで待ってもコピーができるという表示が出ない。彼女は、これはコインを先に入れてから原稿をセットすればいいのかな、と思い、先ほど入れたコインとセットした原稿を取り出し、続いてコインを入れ、原稿をセットした。しかしそれでも事態は進展しなかった。これはきっとコピー機が壊れているに違いない。そう直感した彼女は、レジの店員の前へと進んだ。
女:「あの〜、あのコピー機壊れているんですけど。」
店員:「えっ、そうですか?」
(コピー機の前へと二人で移動する)
そして、そのとき初めてわかったのだった。女がコインを投入したのは、自分が使おうとしたコピー機の隣にあるコピー機用のコイン投入口であったことに。そして女は思った。「日本なんて嫌いだ。」と。
第3話:つる女(★★★★☆)
天気はまさに晴朗。暖かい春の日差しを浴びながら、女はビラまきに専心していた。そこで彼女は、ある男と偶然出くわした。その男はホノマラでかつて会ったことのある男だった。久しぶりの再会を記念してか、二人はお互いにビラを1枚ずつ交換した。このビラが、今後の悲劇のもとになろうとは、誰もが予想し得なかった。
女はビラを交換してから、再び自分の仕事へと戻った。またビラをひたすら配ることに専念した。しかし、専念しすぎて、女はつい、先ほど交換したビラを渡してしまったのであった。何ゆえ、どうしてそのような事態が起こってしまったのか、本人にもわからなかった。しかしもう取り返しはつかなかった。そのビラには「釣友会」とあった。ビラを受け取った人は、ビラを食い入る様に見つめ、ちょっと女のほうを見て、去っていった。
第4話:ワン切り(★★★★☆)
時は3月。新勧のビラ刷りをするため、数人が集まっていた。この時期はビラ刷りをするサークルが集中するので、なかなか印刷機が使えない。予約の時間まで時間をもてあまし、各自思い思いのことをしていた。
ふと気がつくと、女2人が取り残されていた。さっきまでいた男どもが見当たらない。しかし賢明な2人は、携帯電話という手段があることにすぐに気がついた。1人が言った。
「そうだ。ワン切りしましょう。」
なぜワン切りでなければならないのかはいまだに謎である。